ボランティア

ベトナムで次期支援候補の学校を視察

【余韻の中で】
加茂小学校と石田小学校の開校式を終えた翌日の4月9日、エルセラーンの一行20人は、2020年度開校候補の一つになっているソンヅォン郡タムダ社カンバオ村のタムダ小学校・カンバオ分校を視察しました(写真)。
開校式の余韻に浸りながらも、少しリラックスした様子の一行を、子どもたちや先生、地元の人々は、ベトナムの国旗を手に歓迎してくれました。
考えさせられることの多かった、心温まる「開校式の番外編」をお届けします。

【水墨画のような】
宿泊先のティエンカンホテルから、専用バス4台に分乗して一路、カンバオ村へ。山の中に分け入るような、道中が続きます。ぬかるみあり、でこぼこ道もあり…。水墨画のようなベトナムの原風景に、ようやく出会えたような、そんな思いに包まれてきます。
ラタニアの葉でできた円錐形の帽子「ノンラー」(葉笠)をかぶった人も、多く見られるようになりました(写真㊤)。道はしだいに細くなり、車窓が樹木の緑にこすれることも(写真㊦)…。少しスリリングなシーンも味わいながらの2時間が流れました。

【歓迎、トイレも】
笑顔が待っていました。国旗がはためいていました(写真)。「視察」ということだったので、お出迎えのセレモニーがあるとは、だれも思っていませんでした。
その時、子どもたちにとっても「予期せぬこと」が起こりました。エルセラーンの一行は、子どもたちが待ち構えていた「歓迎の小道」を進まずに、三々五々、学校の敷地の外に姿を消していきました。
トイレタイム。学校にトイレはあるのですが、日本の女性たちにとっては難行苦行…。それを見越して村の人たちが「家のトイレを使ってください」と申し出てくださり、そちらに走ったのでした。

【老朽化、飲み水持参】
カンバオ村には、410世帯1667人が暮らしています。農業と家畜の飼育で自給自足の生活。現金収入は少なく、貧しい村です。
トタン屋根の校舎(写真㊤)に入りました。もともとお米などの貯蔵庫として使っていた建物を、教室にしたそうです。
校舎は1987年築。教室は3つあります。30年以上の歳月が流れています。教室の壁や通路の柱は、塗料がそげ落ちていたり、レンガがほころびていたりします(写真㊦)。四季があり、冬にはかなり冷え込みます。雨の日にはトタン屋根にあたる雨音がうるさくなります。傷みが激しく、暑さや寒さを十分に防げていません。教室内は暗く、学習環境もよくありません。井戸がなく、飲み水は児童が家から持参しています。

【子どもの権利】
教室には、子どもたちの明るい笑顔が広がっていました(写真㊤)。
校長先生は、土地の権利書を持っていました(写真㊦)。それは、世界中のすべての子どもたちが持っている権利を定めた「子どもの権利条約」の第28条の「教育を受ける権利」をうたった条文に通じる文書です。

第28条 
子どもには教育を受ける権利があります。国はすべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。さらにその上の学校に進みたいときには、みんなにそのチャンスが与えられなければなりません。学校の決まりは、人はだれでも人間として大切にされるという考え方からはずれるものであってはなりません。(財団法人日本ユニセフ協会 ホームページより)

カンバオ分校がエルセラーン1%クラブの支援校になるかどうかは、今後の検討課題です。でも、一行は、多くのことを考えさせられました。子どもたちの笑顔につながる未来が必ず来る…そう信じながら、AEFAや現地NPOの「CSD」のみなさんと別れを惜しみました(㊦の写真)

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