その他ボランティア

海外の絵本紹介 第2弾【後編】


前編でご紹介した絵本、その続きです。
(前編は こちら )
一家とツバメの物語はどのように進むのでしょう。




次の日、
サナムは山に薪を取りに出かけようとしました。

その時、ガルが一緒に連れて行ってほしいと
サナムにお願いしました。

山に行くのは危険だし大変な道のりなので、
サナムは反対しましたが、ガルはどうしても行くと言って聞きませんでした。




サナムはガルが悲しむのを見たくなかったので、
しぶしぶ彼の願いを聞き入れ、
彼を担いで山に向かいました。




しばらくの後、サナムは山に着き、
ガルを大きな石に座らせると、自分は薪を集めだしました。




サナムは薪を拾い集めると、それを縛って担ぎ、
その上にガルを座らせて山を下りました。




帰りの道中、
サナムは湧き水がでているところで一休みし、
彼とガルはその水で顔を洗い、のどを潤した後、
薪の束を枕にして休憩しました。




すると二人はそのまま眠り込んでしまいました。

サナムは夢を見ました。

ガルがベランダに立って、赤ちゃんツバメを狙っているのを見て、彼はガルのパチンコを取り上げました。

ガルは悲しがりましたが、サナムは赤ちゃんつばめを助けることができたので、とても満足でした。




サナムとガルが寝ていると、木のかげから大きなヘビが現れ、二人に近付いてきました。

その時、
赤ちゃんつばめのエサを探していた
サナムの家の親ツバメがこの様子を発見し、
急いでサナムの近くまで飛んでいくと鳴き声で彼らを起こそうとしました。




それでも二人が起きない為、
つばめは爪でサナムの顔をひっかきました。

驚いたサナムは目を覚まし、辺りを見回しました。




すると、
大きなヘビが彼らに向かって来ているのに気付き、
慌てて近くにあった大きな石を拾い、
ヘビ目掛けて投げつけました。

石は逸れてヘビに当たりませんでしたが、
驚いたヘビは逃げて行きました。




サナムと目を覚ましたガルは急いで家に帰ろうとしましたが、突然美しい鳥が薪の束の上に留まり、彼らに言いました。

「あなた達は私のことを知っていますか?」

「いいえ」
サナムは答えました。

鳥はさらに
「誰があなた達をヘビから救ったと思いますか?」と尋ねました。

「分かりません」サナムはまた答えました。

鳥は「日ごろから親切心に応えてあなたの家に住んでいるツバメが、あなたを起こして、危険を知らせてくれたのですよ。日ごろの行いがあなた達を救ったのです。どうかそのことを忘れず、日ごろの親切心をこれからも大切にして下さい。」

そう言うとどこかに飛び去って行きました。

これを聞いたガルは、彼がパチンコで撃ち落とそうとしていた赤ちゃんつばめの親が、彼と彼の父親であるサナムを助けたのだとわかり、自分の行いを後悔し、ツバメの親子に深く感謝しました。




サナムは薪を担ぐとガルをその上に座らせ、
山を下りて家に向かいました。

道中、あの美しい鳥の姿と鳥が言っていたことがずっと頭の中にありました。




サナムとガルが家に着くと、成長した赤ちゃんつばめが羽をのばし、正に飛び立とうとしている時でした。

それを見てサナムとガルはとてもうれしくなり、
人間同士に限らず、動物やその他生物においても助け合っていくことが大切だということを感じました。

<おわり>



―――いかがでしたか? 遠い国の絵本のご紹介でした。
―――世界の、絵本が読めない子どもたちのための活動です。


『サナムとつばめ』
絵本製作:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会


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