ボランティア

【エルセラーン教育サポート】バングラデシュでの緊急奨学金

新型コロナウイルスの感染拡大でバングラデシュでも失業者が増え、その子どもたちは学業を続けるのが困難になっています。親に結婚を強制される女の子や児童労働を強いられる男の子をなくしたい。夢を持って勉強に頑張る子どもたちの力になりたい。そんな想いから生まれた支援です。
P.U.Sバングラデシュの村を良くする会ダッカ事務所長、マスッド・フセインさんからの報告です。

バングラデシュでは新型コロナウイルスの感染が拡大したため、エルセラーン1%クラブとP.U.Sは今年4~5月、生活が困窮している約400世帯に対して生活支援金や米、小麦粉、食用油など総額100万円相当を配布しました。


しかしその後も感染拡大は横ばい状態になったもののおさまらず、失業者が増えて子どもが学業を続けることが難しい家庭が増えています。
中には、家計費を抑えるため中学校に通う娘に学業を断念させて強制的に結婚させるケースも出ています。

エルセラーンが無償で建設した小学校を卒業し中学校に進学して勉強を続けている生徒の中にも、親が失業して学業継続が難しい子どもが目立っています。

コロナ禍の前は医者や校長先生になりたい、と目を輝かせて話していた子どもたちが、暗い表情に沈む映像が届きました。

将来の夢に向かって頑張る子どもたちの学業を支援して貧困の連鎖を断ち切りたい─



エルセラーン1%クラブとP.U.Sは10月、無償の緊急奨学金「エルセラーン教育サポート」をおこなうことを決めました。
エルセラーンが建てた小学校の卒業生が多く通うジャルシャ、ドッキンジャムシャなど4つの中学校の協力を得てP.U.Sの現地スタッフが約350人の候補者からアンケートや聞き取り調査を開始。



本人の成績ややる気、親の収入などをもとに検討を重ねて100人を選抜して11月に初回給付の3か月分を子どもたちに手渡しました。


このうち82人が女子生徒で占め男子生徒はわずか18人にとどまったのは、強制結婚させられるなど社会的に立場が弱い女性にこそ学業を続けることで自立していってほしいと願い、選抜枠を手厚くしたからです。



奨学金を受け取った子どもたちには「これで学業が続けられる」と笑顔が戻り、母親は「これは本当に助かります」と喜び、学校の先生は「親が娘を強制結婚させない、と約束してくれました」とその意義を語っています。




生徒1人に対する奨学金は月7ドルで、給付金や調査費、協力いただいた先生たちへの謝礼などを含めた今回のプロジェクト総額は約140万円です。
このうち115万円をエルセラーン1%クラブが拠出しました。
奨学金は、授業料・塾の月謝の支払いや教科書、参考書、文房具、制服の購入などに充てられます。


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