
学校までの道中、NPOネパール・マ・ジャニの代表 玉川さんから聞きました。「3年前に開校した髙林小学校、矢野小学校に行ったときと同じ道ですよ」
同行した1%クラブ 糸谷副代表は目を丸くしました。「とても同じ道とは思えませんでした。3年の間にネパールのインフラ、生活も変わりましたね」と語りました。
3年前は斜面を削っただけの道でしたが、この日通った道は、重機でならされ、側溝までできていました。
ところが、車を降りてからは坂道を歩く、歩く。
3年前の2校の訪問時も、よく歩きました。
玉川さんからの「ミニトレッキングだと思って頑張ってください」の声に、参加者は学校に向かって足を動かします。

学校に到着すると、マリーゴールドのレイで歓迎を受けます。
三浦さんとふたりのパートナーを先頭に、一行は生徒たちによる花道の階段を通って、開校式会場に向かいます。
萩平中学校との合同開校式がいよいよ始まります。
と思いきや、なかなか始まりません。
見ると学校関係者は、日本からの参列者につける記念ワッペンを、この時に準備しはじめていました。
三浦キャプテンは後日こう振り返りました。
「式がいつから始まったのかわからないようなラフさがありました。でも彼らはそれが、ミスだとか、間違ったことだとは思っていないようなんです。日本人の感覚だと、『きちんと進めなきゃいけない』という意識が勝つと思います。でも、ネパールの人たちはそうじゃない。一緒に喜ぶ、気持ちをひとつに楽しく盛り上がる。そういうことを大事にしている人たちなんだと思いました。日本にはない底抜けの明るさがあり、それこそが生きる力なんだと思いました」

開校式の会場は歓迎のダンスで盛り上がります。
生徒たちはこの日のために、練習してきたといいます。
盛り上がる開校式の会場の傍らには、崩れた校舎の跡がありました。
ごく一部だけを残した校舎は、2015年4月に起きたネパール大地震のすさまじさを語ります。
学校関係者も区長も、スピーチでこの地震について触れました。
校長先生はこうスピーチしました。
「地震で甚大な被害を受けました。教育環境に大きな打撃を受けたところに、日本のエルセラーン1%クラブからのご支援を、ネパール・マ・ジャニが繋いでくれました。ご支援いただいた校舎を、永く、大切に使うこと、そして教育を途切れさせることなく、つないでいくことをお約束いたします」

ネパールの開校式では定番となっているオイルランプの点灯式。
明かりを灯すことで、物事の始まりを祝う大切な儀式です。
生徒代表によるあいさつのスピーチでは、糸谷副代表がマイクをフォローする一幕も。
「日本からお越しの皆さん、今日の開校式にご参列くださってありがとうございます。また、この学校の校舎の建設をご支援くださってありがとうございます。私たちの勉強する環境を整えてくださったことに、本当に感謝しています」
